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<自尊心と自己愛の違い>


自尊心とは
自分の存在自体を自身で愛おしいと思え、
自身を本当の意味できちんと大切にできる感覚のこと。

自尊心が高い人は、自己評価でき、自信と安定感がある。

何ができるから自信がある、ということではなく、
自分の存在自体・ありのままの自分自身・自分の長所欠点得意不得意全てを含め、
自分そのものを絶対的に肯定できる礎を持つ。


たとえ良い他者評価が得られなくて傷付くことがあっても、
欠点があらわになるような出来事があって落ち込んでも、
人から大切に扱われないことがあっても、
それを受け入れ、感情をコントロールし、 そこから学び反省し、自身が取り組むべきことを見つけ、
逃げることなく行動することができ、努力を避けずに邁進する力があります。

また、ありのままの自己を尊重できる人は、ありのままの他者をも尊重することができ、
望ましい人間関係や距離感を築くことができるのです。


逆に、自尊心が低く、自信が持てない人は、自己愛がまだ大きすぎる場合があります。

そもそも自己愛とは
ナルシシズム・自己陶酔のこと
で、

ある物語の登場人物に
「鏡に映った自分しか愛せない」人がいて、
その人物の名前がナルシスだったことから由来しています。

自己への愛は誰もが持つものですが、

自己愛は成長過程であり、

大人になっても自己愛が強いままであると
「自分ほど立派な人間はいない」という誇大感を持ったままになってしまうのです。

しかしながら、自尊心の低さやこの誇大感を自覚できている方は意外と少なく、
自覚がないまま無意識に行動パターンや態度・発言に現れていることがほとんどです。

たとえば、自己評価できないため、他者から評価されたがり、
人目を過剰に気にしてムリをしたり、自分をつくろったり、背伸びしすぎたり、
逆に卑下したりしてしまうことが起こることがあります。

自己を受容・肯定する力が弱いために他者から受容・肯定・大切されることを過剰に求め、
構ってほしい・甘えさせてほしい・面倒をみてほしいという幼児性が現れることがあります。
あるいは、常に人からチヤホヤされたがったり、好かれ、
賞賛され、大切にされることを望んでしまうこともあります。

それが叶わないと自己安定できなくなり、相手に不快感をぶつけたり、
「誰も私のことなんてわかってくれないんでしょ!」といういじけた、拗ねた気持ちを持っていたり、
それをできない他者への過度な期待と怒りを持っていることもあります。

と同時に、不安から他者にしがみついたり、しつこくしたりして、依存傾向が現れ、
相手が離れそうになると見放され感が出てきて、急激に分離不安を起こすこともあります。

自尊感情の欠如が元で自分で自分の人生を切り開いていく力が弱いことがあり、
そういった自己への怒り・情けなさが、
「他者から何かしてもらいたい」という欲求に変質することがあります。
「どうして私にこうしてくれないの!」「私がしてほしいことはそういうことじゃない!」という怒りや
「人は自分の考えに従ってくれるはずだ」という誤った認識を持ってしまうこともあります。

自己愛が強いままであると、自分かわいさから自分を甘やかし、
努力や苦労を放棄してしまうことがあるのです。

自身の問題点から逃げて人のせいにしたり、感情的になって相手を責めたりして、
自己への責任から逃れようと自動的に自己防衛が強く働きます。

本当の意味で自分を大切にしたり、自分の力で幸せを掴んだりできなくなり、
人から大切に扱われることばかりを望んでしまいます。

一転して、人から賞賛されるために、あるいは認められ・必要とされ・スゴイ人に見られるように、
人が嫌がる仕事や多量の仕事を積極的に引き受けて無理をしていたり、
自分に自信がないために人からどう思われるかと気にして行動していることもあります。

否定批判に弱く、他者からの指摘を極度に嫌う傾向もあります。

実際に指摘されたときは、開き直ったり、
(指摘した相手が悪いとなるか、自分は変われない・変わらない・変わるつもりもないと言うなど)
ムキになったり、指摘した相手に怒りをぶつけたりして、
一旦まず受け止める、ということができづらい傾向があります。


自尊感情が低く、自己愛が大きいままですと、 自信が持てないために不安感や孤独感か強く、
自責の念・情けなさ・自己嫌悪・罪悪感・劣等感・自傷などの形で
自己への攻撃が発生する場合と、

自らの問題から目を背けて行動できない自分にイライラしたり、
他者が自分の思い通りに動いてくれないときに、
他者や養育者に責任転嫁したり、当たったり、物に当たったりして、
他者への攻撃が発生する場合もあります。

どちらか片方だけが出る方も、両方で出る方もおられます。


繰り返しますが、自己愛は、成長過程であり、
子どもの頃はまだ自己愛が大きくて当然なのですが、
大人になっても自己愛が大きいままですと、
色々な弊害が出てくるようになります。

自己愛が強すぎると自覚できた方は、
大人として、努めて大きすぎる自己愛を克服しなければなりませんし、

お子さんを育てておられる方は、
子どもが大きくなるにつれ子どもの自己愛(くだらないプライド)を上手に打ち砕き、
高い自尊心を育てる子育てをしなければなりません。


と同時に、子供が成長すればするほど寂しさを強く感じる親御さんがおられます。
その場合は、親御さんの自己愛が強く、子供に依存している(子離れしていけない)こともあります。


自己愛に問題があるケースの典型として、

「みんながかわいいと言ってくれない!」と嘆く
「オレってかっこいい?」としょっちゅう確認する
すれ違った人を見て容姿の批評をする
逆に、相手を過剰に褒めちぎってチヤホヤするなど

(自分はかわいい・かっこいいという自己陶酔があり、そう言ってくれない皆が悪いと人のせいにする、
かっこいいと言われたり、うらやましいと思われたがり、
相手をほめちぎることで「あなたもステキよ」と言われようとする無意識・自己陶酔がある)

「これだけやっているのに誰も認めてくれない!」
「他の人は仕事ができない」
(自分ほど立派にやり遂げている者はいない・
自分ほど仕事ができる人はこの部にいないという自己陶酔)

「○○君バカじゃないの?」
(自分は立派だと思っている)

「よくメガネを忘れる自分が恥ずかしくて仕方ない」
「失敗したら恥ずかしいから、大勢の人前でプレゼンしたり、挨拶することはできない」
(失敗をするような自分じゃないはずだ・
パーフェクトに物事を進めることができるはずだという自己陶酔)

「皆が自分を○○だと思っているのだろう」(対人恐怖)
(自分は変じゃないと思っていたい自己陶酔、
みんなと同じじゃないといけない・浮いちゃいけないという思い込みがあったり、
個性やありのままの自分を肯定できない)

「役に立たない人だと思われているのだろう」
(この自分が役に立てないはずがない・役に立てないこともあると認められない)

「それは苦手なので、できません」
「わかってますけど、やる気にならないんですよねぇ。。。」
「私は体が弱いので、働けません」
「私は不器用なので仕事と家事の両立はできません」
「不登校だったので学歴がなく、どうせ就職できない」
「親が死んだら、自分も死ねばいいから、ひきこもりのままでいい」
(自分かわいさに自分の取り組むべき問題から逃避してしまう甘えがあると同時に、
できないのと、やらないのは違うという自覚欠如があり、言い訳して行動しない)

「カウンセリングは時間で切られてしまって心外だ」
「権威と呼ばれるドクターにしか診てもらいたくない」
(他者は自分をもっと大切に扱ってしかるべきで、
自分はそれだけ価値ある存在のはずだという自己陶酔がある)

「うまくいっている自分しか、好きじゃない」
(なんでもうまく・順調に・スムーズに、失敗なくできるはずだ、という思い込みと自己陶酔があり、
スーパーマン的な自分をイメージしていたり、完全主義な無意識を持っていたりして、
失敗や挫折した自分を受け入れてやることができない)

などなどがあります。

なお、自己愛が強いからといって、イコール自己愛性人格障害ということにはなりませんので、
決して混同・同一視しないで頂きたいと思います。


カウンセリングは、自尊感情を回復するのに非常に役に立ちます。

自分の話を、徹底的に聴いてもらえる体験をすることは、
ありのままの今のあなたを肯定し、受け入れてもらう体験をすることは、
ダイレクトに自分を尊重してもらえる絶好の機会となるのです。

そして、あなたが来て下さる限り、
カウンセラーは決してあなたを見捨てることなくあなたに伴走するため、
見捨てられ不安を感じることを最小にしながら、
あなたの問題を解決するためにいつも優しく、時には厳しく、あなたを励まし続け、
あなたの望む回復の形を目指す、カウンセリングは、そんな場であったりします。

ただ、カウンセリングという場がいくら安全な場であっても、
クライエントの方にとっては、カウンセラーという鏡に映った自分の自己愛を
怖くて直視できない、ということが多々起こりますが、
カウンセラーはゆっくりと、じっくりと、様子を見ながら、じわじわとあなたの自尊感情を育てつつ、
いつか強い自己愛が克服できるよう、導いていきます。



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