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<考察:不登校・登校拒否・ひきこもり>


昨今の日本では、うつっぽい気分を自覚する人が増え、
ひきこもりの人口率も増え続けています。

オトナになってから、仕事や対人がうまくいかず
ひきこもりになってしまう方もたくさんいますが、

学生時代から学校に行かない・行けないということがあり、
プレ引きこもり時代があった上で、
ずるずると社会人時代に入ってそのまま本格的な引きこもりになる方も
たくさんいます。

これは15年以上前になりますが、
登校拒否という言葉に加え、不登校という言い回しが登場しました。

「学校に行きたいのに、行けない」という子供と、
「学校に行きたくないから、行かない」という子供を、分けたのです。

そして、そのうち、登校拒否という言葉は影を潜め、
総合的に「不登校」という言葉が使われるようになります。

けれども、今も昔も、「登校拒否」の子と、「不登校」の子、
どちらもいる、ということを忘れてはなりません。

しかし、不登校という言葉が登場したこの頃から、
登校拒否や不登校、保健室登校は、
世の中に、良くも悪くも、妙に理解されるようになっていきました。

登校拒否、不登校、学校中退、
非行や犯罪で少年鑑別所や少年院に入っている子供達、
どの子も、本気で話してみれば、問題はあっても、いい子達ばかりです。

けれども、不登校の生徒が増えるにつれ、
フリースクールや通信制の学校というものも増えてきて、
日本では、不登校・登校拒否の子供の受け入れ態勢が調っていきます。

しかし、「幼稚園」であろうと「学校」であろうと、それは、ひとつの社会です。

その社会に参加できずにきて、
その後どう社会人として「会社」「世の中」という社会に
打ち解け、調和し、適応していくことができるのでしょうか?

ということを、私共大人は、考えなければなりません。

挫折・失敗・仲間はずれ・いじめ・疎外・勉強不得意・運動不得意・
人間関係のつまずき・自己の内面との葛藤・苦悩、
学生時代から、これら色々体験するのが普通です。

そこで、傷付きながらも、我慢を覚え、
そこで、苦悩しながらも、問題を解決していき、
そこで、不得意ながらも、やり続け、取り組み続け、
そこで、イヤでも、苦しくても、行き続ける。

このことこそが、社会人として長い人生を生きる基礎になる、ということを
忘れてはいけないと臨床家としては思います。

学校で起こる挫折・失敗・仲間はずれ・いじめ・疎外・不得意・人間関係のつまずき・
自己の内面との葛藤・苦悩は、
会社で起こるそれらと、何ら変わりはありません。

それを体験する要因と、そのときの年齢が違うだけです。

常に、自己と、他者と、自分がすべきことに、向き合い続けなければならない。

それは、一生、変わらないことなのです。

ということは、
何かしらの要因があって学校という社会に行けない・行かない子供に対し、
それを妙に容認する社会や教師や親や周囲の人間は、
極論すれば、その子供の「将来、社会人として生きる力を奪っているにすぎない」
ということも言えるかと思います。

様々な理由から不登校、あるいは登校拒否を起こす子供に対し、
やけに理解してあげて結果甘やかすのはいかがなものか?ということです。

厳しいことを申し上げれば、不登校の要因がいじめであっても、
いじめる側が問題で、いじめられる側には問題はない、
ということは、ございません。

登校拒否や、不登校、ひきこもり、家庭内暴力を起こす、
いじめる・いじめられる、など、
お子さんのつまずきがあるご家庭の親御さんには、
かなり共通したパターンがございます。

「子供の話を聞き、かわいそうになり、同情のあまりその苦痛から逃がしてやろうとする」親御さん。

「子供の話を聞き、何を甘えたことを言ってるんだ!と説教し、全く取り合わない」親御さん。

「親御さん側の自論を展開して押し付け、それだけで対応が終わってしまう」親御さん。

「お前がそうなら、お父さんは、お母さんは、こうするぞ!」と脅す親御さん。
(学費は出さない、○○歳になったら出て行ってくれ等)

「子どもの話さえろくに聞けない」親御さん。

「子供の変化に気付かない」親御さん。

「子供の機嫌を損ねないようにしよう」と、逃げの姿勢を取る親御さん。

「自分の時代はこうだったから、自分の親はこうだったから、お父さんはこう思う、お母さんはこう思うと
自分と比較して子どもを諭そうとする」親御さん。

こういった姿勢を取る親御さんが少なくありません。

子供が苦境に立たされたとき、間違ったことをしたとき、
親御さんが、正しい形で援助できないケースが少なくありません。


甘やかすべきときに甘やかさず、
甘やかすべきでないときに甘やかす。

これが、不登校や家庭内暴力や引きこもりの要因になりがちです。

そうです、失礼ながら、こうした親御さんの姿勢が
不登校や引きこもりの要因であることがほとんどだ、ということです。

こう書きますと、「親が悪いのか?」と腹を立て、強く反発なさる親御さんがおられます。

そして、「開き直る」親御さんがおられます。

「不安になっておろおろしてしまう」親御さんもおられます。

そのお気持ちは重々わかるのですが、大変恐縮ではございますが、
腹を立てたり落ち込んだりしているお時間が大変にもったいないです。
どうか、子供が不登校から将来引きこもりになる前に、
まずは親御さんが、一刻も早くカウンセリングを受けにいらっしゃり、
子どもから逃げずに、いかに子供をどう学校に向かわせるか?に取り組むことが
先決になってきます。

子供を学校に行かせようと試みる行為を「登校刺激」といいます。

「登校刺激」の与え方に失敗しないためには、

必ず、その子どもに合わせた対応策が必要になります。

お子様の性格、最近の発言、最近の行動、最近の体調、大元の行動傾向、
そして、ご両親の教育方針、ご両親の今のお子さんへのお考えなど、
お聞かせ頂くことをまず先に行い、

そこから、お子さんに対し、具体的にどう接し、どう言葉掛けを行い、
親御さんの側は、どうお考えを改めて頂くか、具体的にアドバイスさせて頂きます。

そうです。親御さんが変わらなければ、子どもさんは変わらないのです。

そして、お母さんだけが熱心に変わっても、お父さんも変わらなければ、
子どもさんは、変わらないのです。

けれども、それをはじめても、お子さんの状態や気持ちは刻々と変化していきます。
よって、親御さんは、しばらくは定期的にカウンセリングにお越し頂く事が
なおのことよろしいかと思います。

学校に行けるのを、黙って待ってあげた方がいい子もいますし、
登校刺激が必要な子でも、言い方が重要ですし、
先に病院受診が必要なケースもございますし、対応は様々です。

お子さんを、無理やりにカウンセリングにお連れになろうとする親御さんや、
お子さんと一緒にカウンセリングに行こうと試みたり
お子さんを説得しようとする方がおられますが、
あまりお勧めは致しませんし、あまり賢明な選択ではありません。

まずは、すぐに親御さんが、カウンセリングにお越しになることが肝要です。

心理臨床をひたすら長年やっていると、
幼児期の子育て・親子関係がいかに人間の基礎を作るか、
いかに大人になってからも影響していくか?を痛感します。

幼児期の子育てはやり直せなくても、 「習慣性格」の形成段階として柔軟な10代のうちに、
お子さんの「生まれつき性格」を元に、
お子さんが元来持っている病理(陥りやすいつまずき)の芽に気付き、
出来る限り現在の問題を克服できるように正しい援助をしてやることが、親の務めです。

本当にお子さんを愛しておられるならば、
今はつまずいたとしても、
20歳以降で再びつまずいたときに自力で立ち上がれるようにしてあげてください。

本当にお子さんを愛しておられるならば、
学校に行かない・行けなくなったお子さんを、
暴れるお子さんを、
ひきこもるお子さんを、
うつっぽくダークなお子さんを、
いち早く、親御さんが救ってあげてください。

決して、自室でゲームやインターネットをやり続ける子供を
ひたすら見守りつづけることのないことを祈っております。

そして、20歳を過ぎて、うまく社会と調和できない、
大学や専門学校へ登校できない・働けないあなたは、
まずはあなた自身がカウンセリングを受け、
自分がしていくべきことを、ひとつずつやっていくことが大切です。




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